2026年7月7日、国土交通省航空局は「無人航空機の飛行の安全に関する教則(第5版)」を公開しました。
2026年7月14日以降に実施される無人航空機操縦者技能証明の学科試験は、第5版に準拠しています。
第5版には、工業専用地域のDID規制や農薬散布の承認不要措置、技能証明の更新申請期間などの変更が反映されています。
2026年7月14日以降に受験する方は、第5版で学習しましょう。
指定試験機関である日本海事協会も、7月14日から第5版準拠の学科試験へ切り替えたと案内しています。
教則そのものが法律を変更するわけではありませんが、学科試験と実際の運航に必要な現行ルールを確認するための重要な資料です。
この記事では、ドローン教則の役割をはじめ、第5版の主な変更点5つと、学科試験・実務への影響を解説します。

李 忠烈
【私たちについて】
2018年の創業以来、ドローンスクールの運営をはじめ、空撮、外壁点検、測量、農薬散布など、さまざまなドローン事業に取り組んできました。
教育と実務の両分野で培った経験を生かし、安全な運航に必要な知識・技能の普及と、ドローンを活用したサービスの提供に取り組んでいます。
ドローンに関する知識と技術を通じて、お客様や地域が抱える課題の解決を支援します。
【経歴】
株式会社BFHD 代表取締役
総飛行時間1,000時間以上
点検・測量の実務経験も豊富
FPVドローンにも精通
【保有資格】
・一等無人航空機操縦士
・修了審査員
・赤外線建物診断技能士
・雨漏り診断士
・建築ドローン飛行管理責任者
・アマチュア無線4級
ドローン教則第5版とは

ドローン教則は、無人航空機を飛行させるために必要な最低限の知識要件と、技能証明の学科試験で求められる最低限の知識要件をまとめた国土交通省の資料です。
国家資格制度の開始にあわせて作成され、一等・二等無人航空機操縦士を目指す人はもちろん、仕事や趣味でドローンを飛行させるすべての人に役立つ内容が掲載されています。
ドローン教則について詳しく知りたい方は、以下の項目をご覧ください。
ドローン教則の概要から学科試験との関係、最新版の入手方法までわかりやすく解説します。
ドローン教則に記載されている内容
航空法などの関係法令だけでなく、
- 機体の構造や飛行前点検
- 気象
- 電波
- リスク管理
など、安全運航に欠かせない知識を体系的に学べるのが特徴です。
登録講習機関には、教則を参考にしながら、それぞれの知見やノウハウを生かした独自の講習用テキストを作成し、講習に活用することが期待されています。
ドローン教則の正式名称と目的は?
正式名称は「無人航空機の飛行の安全に関する教則」です。
この教則には、航空法をはじめとする関係法令のほか、
- 機体の仕組みや飛行前後の点検
- 気象
- 電波
- 保険
- 事故発生時の対応
など、ドローンを安全に飛行させるために必要な知識がまとめられています。
国家資格の試験対策だけを目的とした資料ではありません。
実際の飛行現場で起こり得るリスクを理解し、安全な運航につなげるための基本書という位置付けになっています。
ドローン教則の改訂と学科試験の関係
一等・二等無人航空機操縦士の学科試験は、ドローン教則をもとに作成されています。
そのため、教則が改訂された場合、指定試験機関から案内された適用日以降の学科試験は、新しい教則に準拠した内容へ切り替わります。
第5版については、2026年7月14日から学科試験へ反映されています。
これから受験する場合は、第5版を使って学習を進める必要があります。
なお、教則の切り替え時期は指定試験機関から案内されるため、受験日が近い方は最新情報を確認してください。
最新版のドローン教則を入手する方法
最新版のドローン教則は、国土交通省航空局の「無人航空機操縦者技能証明等」ページで公開されています。
PDF版を無料でダウンロードできるため、誰でも閲覧できます。
あわせて、第4版から第5版への変更点をまとめた改訂履歴も公開されています。
新たに追加された内容や修正された箇所を確認できるので、第5版への変更点だけを効率よく把握したい方にも便利です。
受験を予定している方はもちろん、すでに資格を取得している方も、一度最新版に目を通しておくと現行ルールを理解しやすくなります。
ドローン教則の改訂歴|初版から第5版まで

ドローン教則の初版は、国家資格制度の開始に先立つ2022年9月5日に公布されました。
その後、法令・制度の変更や運用状況を踏まえて改訂が重ねられ、2026年7月7日に第5版が公布されています。
特に第4版と第5版では、学科試験だけでなく、実際の運航にも関係する重要な変更が複数反映されました。
| 版 | 教則の改訂日 | 学科試験への適用 | 主な改訂内容 |
|---|---|---|---|
| 初版 | 2022年9月5日 | ー | 初版発行 |
| 第2版 | 2022年11月2日 | — | 飛行性能・電波通信に関する計算式を追記 |
| 第3版 | 2023年4月13日 | 2024年4月14日~ | カテゴリーⅢ飛行のリスク評価に関する記述を見直し |
| 第4版 | 2025年2月1日 | 2025年4月17日〜 | 捜索・救助の特例、第三者上空、レベル3.5、行政処分基準などを反映 |
| 第5版 | 2026年7月7日 | 2026年7月14日〜 | 保険、工業専用地域、農薬散布、技能証明更新、小型無人機等飛行禁止法を反映 |
第3版準拠の学科試験は2024年4月14日から、第4版準拠は2025年4月17日から、第5版準拠は2026年7月14日から実施されています。
第4版(2025年2月)のドローン教則改訂ポイント

2025年2月1日に公表された第4版は、2025年4月17日から学科試験の出題範囲となりました。
第4版のドローン教則の改訂では、第3章「無人航空機に関する規則」を中心に見直しが行われています。
実際の運航に関わるルールだけでなく、国家資格の学科試験でも確認が必要な内容が数多く追加されました。
ここでは、第4版で特に重要な以下6つの変更点を紹介します。
① 捜索・救助のための特例飛行が明確化
第4版では、事故や災害時に適用される「捜索又は救助のための特例」について、対象となる飛行の考え方が明確化されました。
国や地方公共団体、またはそれらから依頼を受けた者が、緊急性のある捜索・救助を目的として飛行する場合に適用されます。
民間事業者が独自に行う災害対応へ、一律に適用されるものではありません。
② 「第三者」と「第三者上空」の定義を見直し
これまで解釈が分かれやすかった「第三者上空」の考え方も整理されました。
「第三者上空」は、第三者の直上だけを意味するものではありません。
機体の落下距離を踏まえ、無人航空機が落下する可能性のある範囲内に第三者が存在する場合も、第三者上空に該当します。
一方で、第三者が建物や停止中の車両などの内部におり、機体が衝突しても遮蔽物によって保護される状態にある場合は、第三者上空とはみなされないことがあります。
建物や車内にいれば無条件に除外されるのではなく、無人航空機の衝突から保護される状況であることが条件です。
③ レベル3.5飛行を新たに追加
第4版では、新たに「レベル3.5飛行」が教則へ追加されました。
一定の要件を満たすことで、レベル3飛行で求められていた立入管理措置のうち、補助者の配置や看板の設置などを、機上カメラによる確認で代替する飛行
立入管理措置自体が不要になる制度ではなく、歩行者などの第三者上空を飛行できる制度でもありません。
レベル3.5飛行では、主に次の要件を満たす必要があります。
- 機上カメラと地上モニターなどを使い、飛行経路の直下と周辺に第三者が立ち入っていないことを確認できる
- 飛行させる無人航空機の種類・重量に対応し、目視内飛行の限定解除を受けた技能証明を保有している
- 移動中の車両などとの接触に備え、十分な補償が可能な第三者賠償責任保険へ加入している
補助者や看板などの一部を機上カメラによる確認で代替する仕組みであり、立入管理措置そのものが不要になるわけではありません。
レベル3.5飛行の要件と位置付けは教則に明記されています。
また、山間部や河川敷、農地など人口が少ない地域での運航を想定した制度ですが、第三者の真上を飛行できるわけではありません。
レベル3.5飛行は学科試験の範囲にも含まれるため、レベル3飛行やレベル4飛行との違いを整理しておきましょう。
④ 行政処分の基準を追加
第4版には、技能証明保有者が航空法違反などを行った場合の行政処分等基準が反映されました。
違反内容と処分の関係は、学科試験対策としても確認しておきたいポイントです。
点数制と処分区分は教則にも掲載されています。
さらに、技能証明に関する行政処分では点数制の仕組みも教則へ反映されました。
違反内容と処分の関係は、学科試験でも確認しておきたいポイントです。
⑤ 無線局免許手続規則の改正内容を反映
第4版では、無線局免許手続規則の一部改正に関する内容が反映されました。
ドローンで携帯電話回線などを利用する場合は、通信方式や通信事業者の手続き、電波法上の条件を確認する必要があります。
⑥ 用語や表現をわかりやすく整理
そのほか、教則内の用語や表現の見直しも行われました。
具体的な変更箇所については、国土交通省の改訂履歴や各版の本文を比較して確認してください。
第5版(2026年7月)のドローン教則改訂ポイント【最新版】

2026年7月7日に公表された第5版は、7月14日から学科試験の出題範囲に反映されています。
今回のドローン教則改訂では、法改正に伴う変更が中心となっており、学科試験だけでなく、実際にドローンを運用する方にも影響する内容が数多く盛り込まれました。
特に押さえておきたいのは、「小型無人機等飛行禁止法」の改正や、農薬散布に関する飛行ルールの見直しです。
第5版で改訂された主なポイントは、以下のとおりです。
① 第三者賠償責任保険の対象を拡大(総重量25kg以上・レベル3.5飛行)
第5版では、第三者賠償責任保険への加入が求められるケースが追加されました。
これまではレベル3.5飛行が対象でしたが、新たに総重量25kg以上の無人航空機を飛行させる場合も対象となっています。
無人航空機の保険には、自動車の自賠責保険のような一律の強制保険制度はありません。
ただし、カテゴリーⅡ飛行のうち、総重量25kg以上の無人航空機を飛行させる場合やレベル3.5飛行を行う場合は、不測の事態に十分対応できる第三者賠償責任保険への加入が求められます。
なお、教則の保険に関する説明では「総重量25kg以上」とされています。
一方、技能証明や大型機の区分などでは「最大離陸重量25kg以上」という表現が使用されています。
場面によって用語が使い分けられているため、教則を学習する際はそれぞれの記載を確認しておきましょう。
② 工業専用地域がDID(人口集中地区)飛行の対象外に
2026年7月1日から、都市計画法上の工業専用地域内の区域はDID規制の対象から除外されました。
そのため、工業専用地域がDIDに含まれていても、DID上空飛行を理由とした許可は不要です。
ただし、工業地域や準工業地域は除外対象ではありません。
そのため、工業専用地域内でも、
- 空港等周辺
- 夜間飛行
- 目視外飛行
- 人または物件から30m未満での飛行
など、別の特定飛行に該当する場合は許可・承認が必要になることがあります。
③ 一定の農薬等の空中散布で承認手続きが不要に
第5版には、航空法施行規則第236条の82第1項第2号に基づき、一定の要件を満たして農薬等の空中散布を行う場合の承認不要措置が反映されました。
航空法施行規則第236条の82第1項第2号で定める要件を満たして農薬等の空中散布などを行う場合は、次の飛行方法に関する承認手続きが不要となります。
- 夜間飛行
- 目視外飛行
- 第三者から30m以内での飛行
- 危険物の輸送
- 物件投下
ただし、すべての農薬散布が無条件で承認不要になるわけではありません。
また、DID上空、空港等周辺、地表または水面から150m以上の上空など、飛行空域に関する許可まで不要になる制度ではありません。
対象となる5つの飛行方法は教則に明記されています。
適用要件を満たす運航では、対象となる飛行方法について承認申請の負担が軽減されます。
④ 技能証明の更新申請期間を変更
国家資格である技能証明の更新手続きにも変更があります。
技能証明の有効期間は3年間です。
更新する場合は、更新申請日前3か月以内に登録更新講習機関の更新講習を修了し、有効期間満了日の6か月前から1か月前までに更新申請を行う必要があります。
⑤ 小型無人機等飛行禁止法のイエローゾーンをおおむね1,000mへ拡大
第5版で実務への影響が大きい変更の一つが、小型無人機等飛行禁止法の改正です。
2026年7月14日の改正法施行により、小型無人機等飛行禁止法の対象施設周辺地域は、対象施設の敷地・区域と、その周囲おおむね1,000mへ拡大されました。
対象施設の敷地・区域を「レッドゾーン」、その周囲おおむね1,000mの区域を「イエローゾーン」と呼びます。
具体的な規制範囲は対象施設ごとに指定されるため、単純な半径1,000mの円とは限りません。
次のような法律上の例外に該当する場合は、対象施設周辺地域で飛行できることがあります。
- 対象施設の管理者またはその同意を得た者による飛行
- 土地所有者等またはその同意を得た者が、当該土地上空で行う飛行
- 国または地方公共団体の業務として行う飛行
ただし、対象防衛関係施設と対象空港のレッドゾーンでは、対象施設管理者またはその同意を得た者による飛行に限られます。
法律上の例外に該当する場合でも、原則として、小型無人機等の飛行を開始する48時間前までに、対象施設周辺地域を管轄する警察署を経由して都道府県公安委員会等へ通報する必要があります。
対象防衛関係施設や対象空港の周辺で飛行する場合は、施設管理者への通報も必要です。災害その他緊急やむを得ない場合は、飛行開始直前までの口頭通報で足りることがあります。
さらに、罰則の適用条件も見直されています。
改正後は、法律上の例外に該当せず、必要な手続きを行わないままイエローゾーンで飛行した場合、警察官等の命令に違反していなくても直接罰則の対象になります。
- イエローゾーンでの違反飛行:6か月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金
- レッドゾーンでの違反飛行:1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金
飛行前には飛行禁止区域に該当しないかを確認し、安全に運航することがこれまで以上に重要になりました。
小型無人機等飛行禁止法では、航空法上の無人航空機とは異なり、機体の大きさや重量を問わず規制対象となります。
そのため、100g未満のドローンも対象です。
教則でも100g未満の機体が小型無人機等飛行禁止法の対象になると説明されています。
⑥捜索・救助の特例に関する参考事例を追加
ただし、これらの目的で飛行すれば自動的に特例が適用されるわけではありません。
国や地方公共団体、またはその依頼を受けた者が、事故や災害時に緊急性のある捜索・救助を目的として実施することなど、一定の要件を満たす場合に限られます。
第4版→第5版の変更比較表

第5版では、第4版の内容を引き継ぎながら、法改正や制度変更にあわせて実務に関わるルールが見直されました。
特に、飛行禁止エリアの拡大や農薬散布に関する手続き、技能証明の更新期間などは、資格取得を目指す方だけでなく、日頃からドローンを運用している方にも影響する変更点です。
第4版と第5版の違いを一覧でまとめると、次のとおりです。
| 変更テーマ | 第4版時点 | 第5版での変更 |
|---|---|---|
| 保険 | レベル3.5飛行で十分な補償が可能な第三者賠償責任保険が必要 | 総重量25kg以上の無人航空機による一部のカテゴリーⅡ飛行も対象に追加 |
| DID規制 | DID内の工業専用地域もDID上空規制の対象 | 工業専用地域内の区域をDID規制の対象から除外 |
| 農薬散布 | 今回新設された承認不要措置はなし | 一定の要件を満たす農薬等の空中散布で、危険物輸送や物件投下など5つの特定飛行に関する承認申請が不要 |
| 技能証明更新 | 満了日まで更新申請可能 | 満了日の6か月前から1か月前までに変更 |
| 小型無人機等飛行禁止法 | イエローゾーンはおおむね300m | エローゾーンをおおむね1,000mへ拡大し、イエローゾーン内の違反飛行も直接罰則の対象に変更。 対象特別要人所在施設や、国際会議の準備・運営に使用される一定の会議場施設等も対象に追加 |
表を見ると、第5版では制度全体を大きく変えるというよりも、法改正に対応したルールの追加や運用の見直しが中心となっています。
特に飛行禁止区域の拡大や技能証明の更新申請期間は、学科試験と実務の両方に関係するため、正確に確認しておきましょう。
学科試験への影響|いつから第5版が適用される?

ドローン国家資格の学科試験は、教則の改訂に合わせて出題範囲が切り替わります。受験日によって適用される教則が異なるため、切り替え日と学習すべき版を事前に確認しておきましょう。
学科試験への影響については、次の2点を解説します。
2026年7月13日までは第4版、7月14日以降は第5版に準拠しています。
第4版・第5版の切り替え日
指定試験機関である日本海事協会が実施する無人航空機操縦士の学科試験では、2026年7月14日から第5版に準拠した問題へ切り替わっています。
学科試験はCBT方式で実施されます。
適用時期は以下のとおりです。
| 受験日 | 適用される教則 |
|---|---|
| 2026年7月13日以前 | 第4版 |
| 2026年7月14日以降 | 第5版 |
どちらの版で学習すればいい?
2026年7月14日以降に受験予定の方は、第5版の教則を使って学習しましょう。
第5版では、例えば以下のような変更があります。
- 小型無人機等飛行禁止法の規制範囲が300mから1,000mへ拡大
- 農薬散布に関する承認ルールの変更
- 技能証明の更新申請期間の変更
これらは、旧制度を前提とした知識のままでは正しい選択肢を判断できない可能性がある項目です。
学科試験は、一等が三肢択一式70問、二等が三肢択一式50問です。
すでに第4版で学習を進めていた方も、すべてを最初からやり直す必要はありません。
第5版で追加・変更された部分を重点的に確認することで、効率よく試験対策を進められます。
ドローン教則第5版に反映された法令・制度変更が実務に与える影響

第5版には、学科試験だけでなく、実際の運航にも関係する法令・制度変更が反映されています。
教則そのものが飛行規制を変更するわけではありませんが、資格保有者や業務でドローンを使用する方も、現行ルールを確認しておく必要があります。
ドローン教則第5版の改訂による実務への主な影響は、以下のとおりです。
第5版では、飛行禁止エリアの見直しや農薬散布の手続き変更など、実際のドローン運用に影響する改訂が行われました。
業務でドローンを利用する方は、実務に関わるポイントを確認しておきましょう。
小型無人機等飛行禁止法の規制範囲が拡大
第5版で特に注意したいのが、小型無人機等飛行禁止法の変更です。
2026年7月14日施行の改正法により、小型無人機等飛行禁止法のイエローゾーンは、従来のおおむね300mから、おおむね1,000mへ拡大されました。
この法改正の内容が教則第5版に反映されています。
そのため、以前は問題なく飛行できた場所でも、重要施設からの距離によっては飛行できないケースがあります。
飛行前には、飛行場所が規制対象になっていないかを確認することが重要です。
航空法上の規制はDIPS2.0や地理院地図で確認し、小型無人機等飛行禁止法の対象区域は、警察庁や国土地理院が公開するレッドゾーン・イエローゾーンで確認してください。
小型無人機等飛行禁止法に基づく事前通報は、航空法に基づくDIPS2.0の飛行許可・承認申請や飛行計画通報とは別の手続きです。
警察庁は、対象区域を地理院地図で確認できることと、例外飛行には公安委員会等への通報が必要であることを案内しています。
農薬散布に関する手続きが簡略化
農業分野でドローンを活用している方にとって、大きな変更となるのが農薬散布に関するルールです。
適用要件を満たす農薬等の空中散布では、対象となる飛行方法について承認申請の負担が軽減されます。
ただし、この措置によって、すべての農薬散布が無条件で許可・承認不要になるわけではありません。
DID上空、空港等周辺、地表または水面から150m以上の空域など、飛行空域に関する規制に該当する場合は、別途許可が必要になることがあります。
また、承認不要措置の適用要件を満たしているか、飛行前に必ず確認しましょう。
工業専用地域での飛行が行いやすくなる
2026年7月1日から、都市計画法上の工業専用地域内の区域はDID規制の対象から除外されました。
そのため、工業専用地域がDIDに含まれていても、DID上空飛行を理由とする許可は不要です。
ただし、工業専用地域内でも、
- 空港等周辺
- 夜間飛行
- 目視外飛行
- 人または物件から30m未満での飛行
など、ほかの特定飛行に該当する場合は、別途許可・承認が必要になることがあります。
ドローン教則の改訂内容は、資格試験のためだけに覚えるものではありません。
実際の飛行現場で安全に運用するためにも重要な情報です。
航空法や関連制度は今後も変更される可能性があります。
飛行を行う際は、国土交通省が公開している最新情報を確認し、現在のルールに沿った運航を心がけましょう。
ドローン教則の改訂に関するよくある質問(FAQ)
教則は改訂されるたびに最初から読み直す必要がありますか?
まずは、国土交通省が公開する変更履歴で、第4版からの差分を確認すると効率的です。
ただし、適用条件や前後関係を正確に理解するため、変更された項目に関係する第5版本文も確認しましょう。
学科試験を控えている方は、変更箇所を中心に復習したうえで、関連する章全体を読み直すことをおすすめします。
第4版で合格した資格は、第5版へ改訂された後も有効ですか?
第4版に準拠した学科試験を経て取得した技能証明も、引き続き有効です。
教則の改訂によって、取得済みの技能証明が無効になることはありません。
ただし、技能証明の有効期間は3年間です。
更新する場合は、登録更新講習機関の更新講習を修了し、所定の期間内に更新申請を行う必要があります。
また、第5版に反映された航空法や小型無人機等飛行禁止法などの現行ルールは、技能証明の取得時期にかかわらず遵守する必要があります。
技能証明の更新申請期間はどのように変わりましたか?
技能証明の更新申請期間は見直され、現在は有効期間満了日の6か月前から1か月前までに申請する必要があります。変更前後は次のとおりです。
| 区分 | 更新申請期間 |
|---|---|
| 見直し前 | 有効期間満了日の6か月前から満了日まで |
| 現在 | 有効期間満了日の6か月前から1か月前まで |
つまり、満了日の直前1か月間は申請できなくなりました。
更新申請期間を過ぎないよう、技能証明書の有効期間を確認し、更新講習の受講と申請手続きを早めに進めましょう。
まとめ
ドローン教則は、技術の進歩や法制度の変更に合わせて定期的に見直されています。
第4版では、レベル3.5飛行の追加や行政処分基準の明確化など、運航ルールに関わる内容が変更されました。
さらに第5版では、小型無人機等飛行禁止法の規制範囲拡大や、農薬散布に関する手続きの見直し、技能証明更新期間の変更など、資格取得者や業務でドローンを利用する方にも関係する改訂が行われています。
これから国家資格の取得を目指す方は、第5版の内容をもとに学習を進めることが大切です。
また、すでに資格を取得している方も、ルールを把握しておくことで、法令に沿った安全な飛行につながります。
ドローンは便利な技術である一方、飛行ルールを正しく理解して運用することが欠かせません。
教則の改訂内容を確認し、常に最新の知識を身につけながら現行ルールに従って運用しましょう。


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